1.1. プロジェクトの定義
プロジェクトとは、
a.定められた目標を達成するために計画され、
b.組織され、
c.目標達成のために実行されるもの
である。
言葉にすれば簡単だが、実際はそれほど単純明快ではない。
プロジェクトには自らのために実行するプロジェクトと、
他の第三者のために実行するプロジェクトが存在する。
また、プロジェクトは単体で存在することもあるが、
あるプロジェクトに従属する場合もある。
また、他のプロジェクトと並列的に密接な関係にある場合もある。
一例として、「会社の経営」について考えてみることとする。
1.2. 会社をプロジェクトと見立てる
「経営理念」と「経営目標」に基づいた会社の経営を
ひとつの大きなプロジェクトと捉えてみよう。
「経営計画」が策定されたあと、「経営計画」に基づき、
各部門別の事業実施プロジェクトが計画・組織される。
具体的には、
a.「管理部門事業計画」、
b.「営業部門事業計画」、
c.「技術部門事業計画」
などが、下位のプロジェクトとして誕生する。
この時、下位のプロジェクトは上位のプロジェクトである、
「経営計画 実行プロジェクト 」に相当な影響をうけることとなる。
経営計画が予定通り進んでいない時、
また、予定通りに進んでいたとしても、
外部環境の変化などのため、今後、予定とは違う変化が予想できる時など、
会社のトップから「計画の変更」が言い渡される。
これが「状況の変化」である。この時、この「状況の変化」に対応できなければ、
会社として全く機能しないことになり、その結果、敢え無く失敗プロジェクトとなってしまう。
「販売部門」が販売計画を強化すれば、それに応じて「製造部門」も生産体制を強化しなければならず、
「購買部門」もまた、仕入先の拡大に努めなければならなくなるかもしれない。
という具合に、プロジェクトは、基本的に自分だけの環境にクローズして実施できるものではない。
要するに、他の何物の影響も受けずに実施することなど、不可能なものだということが
良くおわかりいただけると思う。