『すっかり馴染んでいる女房達を見て、とにかく場違いだと気後れする清少納言』
かがり火を絶やさぬための火焼屋に雪が降り積もっているのも珍しく面白い。御前近くにはいつもの炭櫃をたくさん熾しているのだが、そこには特段誰がいるということもない。宮さまは沈の香木で出来た梨の絵が施されている御火桶に向かって座っていらっしゃる。上臈女房が宮さまのお世話をしながらお近くに侍している。次の間には長炭櫃に隙間なく座っている女房たち。唐衣を着垂れている様子がこの場に馴染んで落ち着いた様子でいるのがとても羨ましい。御文を取次ぎ、立ったり座ったりするふるまいも自然で、気後れすることなくお喋りをし笑っている。
「いつになったらあのようになれるのだろう? 」
そう思うだけで気後れがする。奥の方では三、四人集まって絵など見ている者たちもいる。