『蜩ノ記』で直木賞を受賞した葉室麟の作品。
月形半平太のモデルとなった福岡藩藩士の月形洗蔵と、
その従兄弟で、北海道最初の監獄である『樺戸集治監』の初代典獄の月形潔の半生を描いている。
1881年に月形村は樺戸集治監(初代典獄(所長)月形潔)と同時に設置。
村名は月形潔にちなんで名づけられた。
1882年に新選組隊士で二番隊組長及び撃剣師範を務めた永倉新八が、杉村義衛と改名し、樺戸集治監の撃剣師範を務めた。
樺戸集治監設置の102年後の1983年に月形刑務所は設置されている。
北海道に生まれ育ったので、
月形刑務所の初代刑務所長であった月形潔の半生を知りたいと思い拝読した。
思うように進まなかった北海道の開拓を、安価な囚人の労働力で賄おうと伊藤博文が考え、監獄を北海道に建設する方針が決められた。
任命された月形潔ら7人は現地調査を行い樺戸に監獄を建設する。
当時の北海道の過酷な生活の一端を知ることが出来る良書。