ゼロとは零式艦上戦闘機、通称『零戦』のことである。
1945年の夏、終戦を迎えるまで、
特攻隊員たちは、
いったい何を想い、
何のために死んでいったのか?
この本からは、
特攻隊員たちの心の叫びが漏れ出している。
この時の感情や心について、
長い間理解することができなかった。
自分には、そんなことは絶対に出来ないだろうと思っていた。
残された遺書を、字面通りに読んではいけない。
『行間を読む』なんて、
そんな生易しいものではない。
日本人にしか理解できない、
日本人だけの心が、
遺書の中に隠されているのだ。
「靖国で会おう」
あの時代に生まれ、
その場にいたら、
同じ心で、
同じことをしていたのだろう。
圧巻の名作だった。