/活動日誌/閑話/16Day's 16Day's 6章の② 2026-05-10 ( 初回配信 2026-05-10 ) facebook tweet LINE はてブ Pocket 6:51 富士山を後にした。振り返れば、まだそこにある。だが山は、見送られることには頓着しない。こちらが勝手に名残を惜しんでいるだけだ。次は浜松、スズキ歴史館へ向かう。 静岡、焼津、藤枝、島田、菊川、掛川、袋井、磐田。地名が一定の間隔で流れ、車は無言で距離を縮める。8:36、浜松。JR東海浜松工場の近くにあるヤマト運輸に寄った。甥の息子の小学校入学祝い、その返礼が留守宅のわが家に届いたらしい。長男の家への転送を頼む。受付の若い女性の動きに無駄がなく、こちらが構える間もなく手続きは終わった。蛇足だが、箱の中身はシャンパンとMEIDI?YAの缶詰六缶セットだった。帰宅してから開けたが、とりわけ広島県産の炙り牡蠣は、香りが立ち、身が厚く、余計な言葉を必要としない味だった。 8:53 到着。駐車場の奥に車を置き、歩く。快晴。陽光がやや遠慮なく差し込んでくる。受付を済ませ、開場までエントランスの展示を見る。 さすがスズキだ。まず目に入るのはオレンジ色のフルカウルをまとったHayabusa二十五周年特別仕様車。三百台限定。顔つきが鋭い。作り手の覚悟が見える。その隣に船外機DF350A、重量物をやさしく運ぶ電動マルチユースモビリティ、さらにMotoGPを戦ったGSX?RR。最初からこちらの肝を掴みに来る。 入場のコールがかかる。中は、スズキの時空間だった。バイクだけではない。年代順に並ぶ織機、電動機付き自転車。今とほとんど変わらぬ姿の自転車に、ただ原動機が付いている。その素朴さが、かえって強い。 スズライト、スズキ360、フロンテ360、RM62、ジムニー55、マイティボーイ、ピターラ。車名を追うだけで、日本の暮らしと歴史が見えてくる。一時間は、驚くほど早く消えた。ものを造るということは、未来を創り上げることだ。それを確認できただけで、今日は充分だった。スズキさん、ありがとう。