PESTは、経営学者でマーケティングの第一人者である、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院SCジョンソン特別教授である、フィリップ・コトラー氏が提唱したものです。コトラー氏は、「調査はマーケティングの出発点である。調査をせずに市場参入を試みるのは、目が見えないのに市場参入をしようとするようなもの」と言っており、環境調査・分析の重要性を説いています。
PESTとはこれら4つの頭文字を取った造語です。
P:Politics(政治的)
E:Economy(経済的)
S:Society(社会的)
T:Technology(技術的)
成功した企業や商品は、必ず世の中の変化に適応し、流れに逆らわずに上手にコントロールされています。外部環境の変化にともない、自らの組織・商品を時代にマッチするようにイノベーションできてこそ、最終的に生き残ることが可能になります。その外部環境、取り分けマクロの環境を調査し、分析するフレームワークです。
また、外部環境分析を細分化すると、マクロ環境分析とミクロ環境分析に分けられ、マクロ環境を把握するためのPEST分析を行うことで、環境の変化や事業活動に影響を与える要因を探ることができます。
この要因は事業戦略の機会 (Opportunities)にもなりうるし、場合によっては脅威 (Threats)にもなりかねません。このような情報を整理しておくことが、優れた事業戦略の策定につながっていくのです。
これに対して、ミクロ環境を分析するフレームワークに3C分析というフレームワークもあります。
このPESTと3C分析の結果はSWOT分析の外部環境分析に活用することも出来ます。